テキストサイズ

不器用なくちびる

第17章 君と

真っ直ぐ見つめる橘くんの瞳の真ん中に
私が映っているのが見えた…


「俺たちにはいろいろあったから…
な?真面目な話だろ?」


「…そうだね…」


「栞は?今心配なことある?」


橘くんは、私を後ろから抱きしめ
首すじにキスを繰り返しながら訊いた。


「んっ…ん…
私なんかでいいのかなって…
今日久しぶりにあいつに…会って…
思い出したの。余計に怖くなった…」


「やっぱりな〜
でも俺のこと気にしてるなら
それは全然大丈夫だよ。」


「でも私は…
ひどいところを見られてる…」


「だからいいんじゃないかな」


えっ?!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ