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不器用なくちびる

第25章 【栞 23才】

でも、長い間近くにいるからこそ
口に出して伝えなければ
伝わらないことってあるよね。

それに今日は誕生日だし…

繋がったまま私を抱きしめると
動きを早める稜くん。

瞼の裏に閃光が走り、
どこかに飛んで行ってしまいそうな私は
稜くんに何とかしがみつく。


「あぁっ!…稜く…
私もっ…あい…っ…」


私の奥深くで稜くんが熱く弾けるのを
初めて感じながら…

彼の耳もとで
彼だけに聞こえるように

愛の言葉を私は囁いた。



✳︎栞 23才 完✳︎

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