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不器用なくちびる

第7章 願い

その日以降、椎名に会うことの
無いまま夏休みになった。

島に帰れる…!

おばあちゃんや友達に
久しぶりに会うのも楽しみだけど、
何より島に帰れば以前の自分を
少しでも取り戻すことができる
かもしれないと思った。

少しでも早く行きたかった私は、無理を
言って一人で先に行くことにした。
両親は仕事が落ち着いたら来てくれる。

新幹線を乗り継ぎ高速船に乗る。
この距離を一人で旅するのは
初めてだったけど、
ものすごくワクワクした。

高速船が飛沫を上げて夏の海を渡る。
見えてきた…!
キラキラした海の向こうに…
私が生まれた島…!

島に降り立つと
懐かしさにウルウルしてしまう私。
思いっきり深呼吸…

私がんばる。

ここからまた始めるんだ…!

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