テキストサイズ

不器用なくちびる

第9章 想い

数ヶ月後…

後悔とため息ばかりの…
そんな情けない俺にも夏は来て。
香山と知り合ってから2度目の
夏休みになった。

俺は今…
香山が生まれ育ったあの島にいる。
年に一度の大きな祭りで賑わう島は
一年前から全く変わっていない。

香山の笑顔が俺の隣にないだけで…

香山のばあちゃんの家も知らないし
そもそも会えたからって何を言える
わけでもないんだけど。
いつものように母さんの実家で
過ごしているうちに…
やっぱり来てしまった。

香山が今年も帰って来てるのかも
知らないのに…
俺ってマジで格好悪いな(笑)

でもこの綺麗な海を、島を、
見ていると、なんか奇跡でも
起こるんじゃないかって
そんな気がしてしまうんだ。

……………………

俺はとりあえず去年香山が案内して
くれたルート通りに廻ることにした。

最初に目指すは白い、大きな灯台だ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ