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溺れる愛

第2章 衝突





「お前が俺の命令に逆らったら、すぐにこれをネットに流すし、警察にも持って行く」



『け、警察!?』



「当たり前だろ。犯罪だし」




(そ、そんな…)



外したメガネをそっと机の上に置いて、
その手でふわっと芽依の前髪をかき分けた。


思わずビクッと身体が反応してしまう。


(なに…っ)



「俺の目的は一つ。」



ゴクリと固唾を呑んで、次の言葉を待つ。



「お前の利用価値は身体だけ」


その間も森山の指は、芽依の髪の毛をくるくると巻き付けて遊んでいた。



『か、らだ…って…』



「こーゆうこと。」



遊んでいた指がふと頭の後ろに回され、強引に引き寄せられて、唇と唇が触れる寸前に止められた。



『…っ!』


思わず声が出なくて固まる芽依に
森山は額をくっつけて至近距離で続けた。



「わかる?俺が言ってる意味。お前はもう、俺の玩具。逆らうことなんて許さない」



(…恐い…!!)


気付いた時には芽依の頬には一筋の涙が伝っていた。


「いいねぇ…その顔。すげーそそる…
もっと壊したくなる」


『!!!』



ドンっと胸を叩いて押し退け、動揺で乱れた息を整える事もままならない状態で芽依は叫んだ。



『さ…最低!!変態!!』



「変態はお前だろ。盗撮犯」



(…!!!)



森山はもう笑っていなくて、
底知れぬ恐怖を感じさせるほど、冷たい表情でこちらを見ていた。



「わかったら、俺の命令に従えよ。芽依」


『な…名前で呼ばないで!』


「俺に命令してんじゃねぇよ。盗撮犯って呼ばれる方がマシ?」



(本当に最低…!格好良いなんて思った自分がバカみたい…!!)



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