
溺れる愛
第12章 共犯
(……今…何時……)
ボーッとする重い頭を持ち上げて
ベッドサイドの電子時計に目をやると
まだ夜中の三時だった。
どうやらあの後すぐ眠ってしまっていたらしく
身体は何も纏っていない状態だった。
いや、かろうじてショーツだけは身につけていて
たぶん那津が履かせてくれたのだろう。
(……あいつは…?)
自分はベッドに横たわっていて、その隣には那津の姿がない。
中央のソファにもその姿は無かった。
(ま……いいや、どうでも……)
またごろりと横たわる。
じんじんと鈍い痛みを下半身に感じて
嫌でも先ほどの行為が脳裏に蘇ってくる。
(……私…最低な女だ……)
俊哉がいいと言いながら、那津の腕の中で最後は快感に溺れてしまっていた。
自責の念が心を黒く染め、涙に変わる。
(もう…先輩に合わす顔がない……)
付き合ってまだ1ヶ月も経っていない。
普通なら凄く幸せな時期なのに
自分は易々と裏切った。
せっかく好きだと言ってくれたのに、
自分を好きでも何とも思っていない男に抱かれ
それを許した自分。
(…最低……私が一番…最低だ……)
芽依は枕に顔を埋めて、声を殺して泣いた。
