
溺れる愛
第13章 疑惑
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夕暮れ時。
閑散とする海辺で片付け作業に入っていた。
(やっと終わった……)
短い様で長かった3日間がやっと終わりを告げようとしている。
那津はゴミ出しに和人と一緒に行っているため
静かな店内には波瑠と2人きり。
『テーブルと椅子は終わりました』
「ありがとう、助かったわ」
一息つきましょ、とオレンジジュースを貰い
そのまま芽依と波瑠は並んでカウンター席に腰掛けた。
そして、少しの沈黙のあと
波瑠はどこか寂しそうに切り出した。
「今日で芽依ちゃんともしばらくお別れなんて…寂しいな」
『私もです…。また会いましょうね』
「勿論よ。必ずね」
お互いに雫がついたコップを両手で抱えながら
前を見据えている。
「本当にね…凄くびっくりしたの」
『え…?』
「なっちゃんが…まさかお友達を連れて来る日がくるなんて、思ってもみなかったから…凄く嬉しかった」
『…そうなんですか…』
そこから、波瑠は少し遠い目をして語り出す。
「芽依ちゃんが…本当に彼女だったら良かったな」
『…え……?』
(どうして…?)
