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溺れる愛

第15章 確信





月日は着々と流れ、もう冬に突入していて
今は12月の終わり。

もうすぐクリスマスを控えている冬休みの真っ最中。


あれから芽依の気持ちは前に進むどころか
少しずつ後退し始めている気がする。


あの那津が優しく微笑んでいた女の子の真相は解らないまま。

俊哉とも何の進展もないまま、未だキス止まりで
現在も交際を続けている。


これが芽依を悩ませていた。


那津とは相変わらず身体の関係だけが続いていて
以前にも増してその頻度は増えている。

そのたびに、確実に自分の中に何か熱いものが込み上げてきている事に
もう知らん顔をしていられなくなってきていた。



俊哉への罪悪感は日に日に増す一方で、
だけど自分は那津を突き放せない。

いや…この関係を壊したくないとさえ
感じてしまっていた。



────俺は芽依としたい─────



この言葉が頭から離れる事はなくて
そのせいか那津の行動一つ一つが気になって仕方無くなってきている。

それと比例して、あの女の子への嫉妬も増えている。


────好きになられても困る─────



そう釘を刺されているから、これ以上は踏み込めない。

いや、踏み込む勇気がない。


認めてしまったら、もう後へは退けない事は
充分にわかっていたから。


この矛盾に、ずっと悩まされてきていた芽依は
なんとか気持ちを俊哉に戻そうと
クリスマス旅行を計画し、それに向けての準備に没頭していた。






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