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溺れる愛

第17章 社会人編スタート




そして私の首には、この8年間、ずっとつけている
那津が最後に残したあのネックレスが光ってる。


どうしても外すことが出来なくて…
やっぱり私はこのままずっと、那津を忘れる事は出来ないんじゃないかと漠然と思ってる。



本当はもうそろそろ前に進みたいんだけれど…
思い出は時間が経てば経つほど美化されるもので

那津のたまに見せる笑顔だけが
最近ずーっと頭の中にあるの。


バカねって自分で思ってしまうほど

私ってこんなに…よく言えば一途だし
悪く言えばしつこいよね。



目の前に座る、まるでお人形さんのようなくりんとした瞳の
可愛らしい菜々子ちゃんが少し羨ましい。

こんな華奢で可愛らしい見た目だから男の人に困る事はなくて
彼女はそれなりに上手く対応して、特定の彼氏がいながらも楽しんでいる。

言わば小悪魔ちゃん。


私もそんな風に器用になってみたいけれど…

誰に見られたいだとか、そんな事は全く考えられなくて
ほぼ毎日腰より少し上の黒髪を、ヘアクリップでアップに纏めて
通勤用のスーツに身を包んで、お堅いイメージを崩さない。



もう本当に、男の人なんてどうでもいいんだ。



私が欲しいのは、ただ一人だけだから。



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