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溺れる愛

第17章 社会人編スタート




そしてもう一つ。


私はこの会社に就職が決まってから
東京で一人暮らしを始めた。


割と給料が良い会社だったから、それなりに綺麗な
1LDKのオートロックマンションに住んでいる。


まぁ…女の一人暮らしだから、そこは一応ね。



もうお正月くらいしか実家に帰っていないから
少し田舎のあの街が恋しくなる時もある。


東京で過ごすと、驚くほど1日が早くて
同じ時間が流れているとは思えないほど慌ただしく1日が終わってしまう。



そして何より…こんな離れた土地へ来てしまった以上
もう那津に会うこともないだろうって思ってる。


それで良いんだって…もう半分諦めてしまっているのも事実だった。



『じゃあ、私はこのまま次のクライアントの所へ行くから、気を付けて帰ってね』


伝票を片手に席を立つと、後ろからはーいと可愛らしい声が追いかけてくる。


こうして、今日も何も起きないまま1日が終わった。



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