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溺れる愛

第17章 社会人編スタート





そして大事な案件であるwonder landさんとの打ち合わせの日を迎え

私はそのそびえ立つビルの高さに圧倒されていた。



『凄い……てっぺんが見えない』



もやは何階建てかもわからないほど大きなビルに
少し気後れしながらもロビーにいる受付嬢に声をかけた。



『あの…今日こちらで改装の打ち合わせをさせていただきます
ふたばデザイン事務所の新井ですが』



「はい、只今確認をしますので少々お待ち下さいませ」



綺麗な人だなぁ…。

やっぱり会社の顔なんだし、そこは重要だもんね。


そんな事を考えていたら、受付嬢がにっこりと微笑んで案内をしてくれた。



「お待ちしておりました。新井様。
そちらのエレベーターから30階に上がっていただいて、突き当たりの営業部までお願い致します」



『わかりました。ありがとうございます。』



30階って…それでも最上階じゃないなんて
そんな多くの部屋数、一体何に使うんだろう?


そして、エレベーターのボタンの数にも圧倒されながら
言われたとおり営業部までやってきた。



うぅ…少し緊張する…。

落ち着けーリラックスよー。


深呼吸をしてから、営業部のドアをコンコンとノックする。

開け放たれているけれど、一応しておいた方がいいよね?


すると、近くに居た中年のおじさんが
少しだけ怪訝な目をこちらへ向けてきた。


「どちらさんかな?」


『あっ、初めまして。私、ふたばデザイン事務所の新井と申します。
本日は改装の件でお伺いしました。』



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