溺れる愛
第17章 社会人編スタート
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週明けの月曜日。
今日は直接取引先に向かっていた。
先方の都合で、どうしても打ち合わせは朝一にとの事だったので
アシスタントに菜々子ちゃんをつけて、
今はその菜々子ちゃんと先日通された会議室で田所さんを待っていた。
「私こういうの初めてなんで、すっごい緊張します…」
『大丈夫よ。ちゃんと私がフォローするから。
それに担当の田所さん、多分菜々子ちゃん好みじゃないかなぁ?』
どちらかと言えば女顔の田所さんは、女の私より綺麗なんじゃないかと思うほど。
裏を返せば凄く整った顔だという事。
つまりこの手のタイプは菜々子ちゃんの大好物なのよね。
それに、女の子みたいな顔だと思っていたら
いざ仕事の話になると顔つきが一変して、途端に男の人の顔になる。
「本当ですか?楽しみーっ!」
『ふふ…名刺を渡すのだけは忘れないでね』
「はい!早く来ないかなぁ」
さっきまで凄く硬い表情をしてたのに、一気にニヤニヤしちゃってる…
ふふ…本当、菜々子ちゃんは可愛いな。
すると、静かに会議室の扉が開いて、私と菜々子ちゃんは背筋をピンと張って姿勢を整えた。