溺れる愛
第22章 あの頃の君は
蔵での生活にも慣れて、逆にそこでの方が
誰とも関わらずにいられて落ち着いてた。
そんな時に誠司と仲良くなって
中学に入って…
このまま楽しく居られたら…
そう思ってたら、いきなり家に部屋を用意された。
そして、その時初めて義理の弟と対面したんだ。
名前は輝之(てるゆき)。
輝之は何をやっても俺よりダメだった。
それが面白くない義母と輝之は
益々俺に嫌がらせをした。
死なない程度に毒を盛られて苦しんだり
飯を用意されて、自分だけ腐ったパンを置かれたり
もううんざりだった。
だから、俺は自由を手に入れるために
力を手に入れようと思った。
社長の座を手にしたら
こいつらを追い出してやる。
そう堅く決意して、俺は久しぶりに親父と口をきいた。
そしたら親父はある条件を出したんだ。
1人の男を失脚させろ。
その男っていうのが…
芽依の親父さんだった…。