
溺れる愛
第23章 この幸せを守りたい
「じゃあ…もう一回乾杯するか。
今日泊まっていくだろ?」
『あ…でも私、何の用意も…』
「俺が適当に用意するから。心配すんな。
なんてったって俺は社長だぜ?」
『ふふ…そうね。じゃあ泊まっていこうかな』
「おう。帰りは送るから。心配すんな。」
そう言って、私たちはまた乾杯した。
しばらく飲んで、他愛もない話をして
お互い離れていた時の事や
高校の時の事
どんな話も新鮮で、楽しくて…
初めて本当の那津と話している気がして
私も、初めて自分自身をさらけ出せた気がして
近付いた距離が嬉しかった。
離れてしまったからこそ
私達はこうして、今
一緒にいられるのかもしれないね。
