
溺れる愛
第23章 この幸せを守りたい
長い長い触れるだけのキスをして
ゆっくりと唇を離した。
さっきまで…抑えるのに必死だったのに
今は少し怖くなってる…。
なんか……もっと大事にしたい。
いっぱい幸せにしたい。
そう思うと、簡単に手が出せない…。
あぁ…好きな女は特別だって思ってたけど
お互いの気持ちが一つになると
こんなにも変わるんだな。
大事にしたい想いが強すぎて
抱き締めるだけで充分に心も身体も満たされる…。
愛してるって…
多分、こういう事なんだろうな…。
その日、俺はずっと芽依を抱き締めたまま
久しぶりに安心して眠りについた。
こうして一回も起きずにゆっくり眠れたのなんて
母親が死んで以来だった。
