
溺れる愛
第27章 始まりのさよなら
「芽依!!!」
俺はGPSが示した倉庫の扉を勢い良く開けた。
「芽依ちゃん!!」
誠司も息を切らしながらその中の様子を目を凝らして見つめている。
すると、中からは複数の男の影が見えて
そのうちの一人が静かに声をあげた。
「遅いじゃないですか。義兄さん…待ちくたびれましたよ」
「その声…輝之か!?」
俺と誠司は周囲を警戒しながら、その声の方向へ少しずつ近づいた。
そして、
俺は目の前に見えたその光景に
愕然と
全身から力が抜けて
まるで棒にでもなったかのように
その場で動けなくなってしまった。
そこには
男たちに囲まれながら
髪が乱れて
ドレスもビリビリに裂かれて
後ろ手に両手を縛られながら
床に横たわる芽依の姿があった───。
