溺れる愛
第28章 あなたの深い愛に溺れていたい
『なっ、なんでそれ…!』
「俺にしろって言われて揺れたか?」
『違っ!揺れてなんかいないわ…!』
「じゃあなんですぐ断らねーんだよ」
『そ…れは…、その…』
答えに詰まった私を那津は抱き締めたまま見下ろしてくる。
『あの時は…その…那津が別の人と結婚しちゃうって思って…。
だから少し動揺しちゃって…!』
私が必死に言い訳を考えていると
那津の親指がそっと私の下唇をなぞって
言葉を遮られる。
ちょ…ダメ………心臓が破裂しそう…。
しばらく熱を宿した瞳で見つめられてから
「もう…絶対離さない」
そう言って、私が返事をする前に
そっと唇が塞がれた…。