溺れる愛
第28章 あなたの深い愛に溺れていたい
『…ん………』
少しだけ長い触れるだけのキスが終わる頃には
私の顔は真っ赤になっていたと思う…。
「誠司にも、誰にも芽依は渡さない」
『う…ん』
真っ直ぐにそう言われて、さらに熱を持つ顔。
ていうか全身。
「もう、義母の事は心配しなくていい。
輝之が正式に次期社長に決まった。
もう俺には何もしないと約束させたから。」
『そう…輝之さんも、頑張ったんだね』
「あのなぁ。俺も死ぬほど頑張ったっつーの。
なんせニューヨークに事業展開したんだからな」
『ええ!?』
驚きを隠せない私に那津はサラッと言ってのける。
「当たり前だろ。
しばらくこっちに住むんだから、それくらい」
『え…?こっちに住むの…?』
「もう離さないって言っただろ」
彼のぶっ飛んだ話に面食らってしまう。
社長さんなんだものね…
今更ながら、那津の有能さに感心してしまった。
「あとは誰かさんが、ご丁寧に身をくらませてくれちゃってたから
探すのにかなり時間食ったなぁ…。」
う…視線が痛いです…。