
溺れる愛
第29章 エピローグ
『わぁ…いい景色』
そこからはホテルの庭園が一望出来て
綺麗な花々が咲き誇る景色は絶景だった。
幸い私達以外に人の気配は無くて
私と那津は寄り添って手摺り付近に立った。
「あー…やっぱり芽依と居るのが一番落ち着く」
『やだ。どうしたの?急に』
「んーこういう堅苦しいの苦手だから」
『ふふ、頑張らないと。社長さん』
「んー…じゃあちょっと充電させて」
『え…きゃっ』
いきなりグイッと腕を引っ張られ
那津の胸によろけ込んでしまったけれど
那津がギュッと抱き締めて支えてくれる。
『もう、ビックリするじゃない…!』
身をよじって那津を見上げると
那津はニッと、イタズラっ子の様な
私の好きなあの顔をしていて
胸がトクンと脈打った…。
