
溺れる愛
第29章 エピローグ
すると、那津のお父さんが
「今日はゆっくり楽しんでいくといい」
そう言ってその場を去っていった。
私と那津は少しだけ頭を下げて見送ると
お義母さんが静かに口を開いた。
「まぁ……次は、あなた達の番かしらね」
その言葉に私と那津は驚いて顔を見合わせると
お義母さんはそそくさと「それじゃあ」とだけ言って去っていった。
「ビビった…アイツがあんな事言うなんて…」
『そうだね…少しは認めてくれたって事なのかしら…』
すると輝之さんが
「すみません…。あれでも一応謝っているんだと思います」
と申し訳無さそうにフォローを入れてくる。
『そうですか…』
私は嬉しくなって、ブーケをギュッと握ると
「ちょっと向こう行くか」
那津に肩を抱かれて、そのまま会場の外にある踊場へ出た。
