溺れる愛
第30章 番外編─おてんば子供に囲まれて─
閉じていた目を開けて、上目遣いで那津を見ると
彼と視線がぶつかった。
キョトンとする那津に、私は少し意地悪な笑みを浮かべて
『大きくなったらママをお嫁さんにしてあげるー!って。』
「何?それ本当か?」
『えぇ、本当よ。指切りもしたんだから』
「瀬那の奴…起きたら勉強だな」
『え?どうして?』
すると那津がチュッとリップ音を立ててキスをしてくる。
「だって、芽依は一生、俺のだって教えないといけないだろ?」
そう言って那津もまた、ニヤリと意地悪く笑うの。
『ふふ…ばか。子供相手に何言ってるの』
「相手が誰であっても芽依だけは譲らねーよ」
そして私達はもう一度キスを交わした。
静かな夕暮れ前の落ち着いた日差しの射すリビングで
私達はゆったりとした時間の流れに幸せを感じながら
ギュッと手を握って笑った。