
溺れる愛
第5章 階段
その瞬間、かぁっと顔が熱くなった。
『か…!?違う…?』
(何て答えていいかわかんない…っ)
那津はまだ唇だけくっつけたまま離れる気配は無い。
「俺で感じたんだ?好きな奴がいるのに。
やらしーなあ芽依は。さすが変態」
『!?変態はあんたでしょ!』
「あれー?そんな口の利きかたしてると知らねーよ?」
その時、那津の手がまたスカートの中にのびてきて
今度は迷うことなく下着を脱がす様にずらした。
『やっ…んんっ』
抵抗を許さぬ様にまた深く口付けられ
脚は閉じられない様に那津の脚で固定される。
『はぁ…ふ…っ』
那津の熱い舌が口内を蠢く度に甘い息が洩れる。
頭がボーッとして痺れる様な感覚。
徐々に思考回路が麻痺していき、抵抗する力も抜けてきた。
「…芽依……」
那津がボソッと囁いた自分の名前に
有り得ない程心が跳ねた。
(今…そんな風に名前呼ぶのは狡い…!)
気がつけば下着は完全に剥ぎ取られていて
スカートと靴下だけという恥ずかしい格好になっていて
その恥ずかしさから自然に
覆い被さる那津の背中にギュッと両腕を回した。
『んぅ…はぁ…は…』
少しだけ、キスが優しくなった様な気がした。
