
溺れる愛
第6章 変化
教室に戻ると、案の定桃花たちがニヤニヤしながら詰め寄って来た。
「芽依ー!何だったの!?教えなさいよー!」
『えへへー。あのねー』
ニヤニヤしながら話す芽依に
みんなは目を輝かせながら次の言葉を待っている。
『連絡先交換しようって言われた』
「うっそ!マジで!?それちょー脈ありじゃん!!」
「絶対芽依に気あるよねー!」
「良かったね!芽依!」
『ふふ。ありがとう』
皆の祝福の言葉にまた顔がにやついてしまう。
この時、那津から受けた仕打ちなど
すっかり頭から離れてしまっていて
ただ静かに本を読む彼のことは
微塵も気にしてなど居なかった芽依だった。
本当に単純なもので
恋心とはある意味麻薬の様なものだ。
すっかり元気になった芽依は
いつも以上にはしゃぎながら全ての授業をこなした。
