
溺れる愛
第6章 変化
連れて来られたのは近くの男子トイレの個室。
『ちょ…こんな所誰かに見られたら…!』
「お前が声出さなきゃばれねぇよ」
至近距離に那津の顔があって、その整った顔は
嫌でも少しだけ芽依をドキドキさせる。
それがなんとも言えない悔しさを抱かせた。
(な、なんとかしてこの状況を…!)
芽依は先程の件を思い返して
忙しなく那津に話しかけ続けた。
『てゆぅかさ!なんで断ったの?
すっごく可愛い子だったのに!』
その言葉に那津は心底鬱陶しそうに
「面倒くせぇんだよ、あーゆーの」
(なんか…ちょっとムカつくかも…。顔が良い人ってどうしてこう自信家なの?)
『付き合ってみたらそうでもなかったかもよ?
あの子可愛かったしきっとすごく──』
そこで那津の手で口を塞がれて会話を遮断される。
「うるせぇな。俺に干渉すんなって言ったろ?」
その瞳は決して笑ってはいなくて
芽依は改めてゾッとした。
「いいか。お前の利用価値は身体だけだって
何回言わせれば気が済むんだよ」
(な、何回言われたって気が済まないわよ!!)
口を塞がれているため言い返す事が出来ない。
そのまま那津は空いてる方の手で芽依のスカートの中に指を這わせた。
