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溺れる愛

第2章 衝突





彼は、真っ黒な髪の毛で、
少し長い前髪が左目にふわっとかかっている。

黒縁のメガネをかけていて、
顔はあまりよく見えないが、形の整った眉や、スッと通った鼻筋
やや薄い唇が少しセクシーさを感じさせる。
制服も、キチッと着こなしていて、ボタンを開けることもなく指定のネクタイを巻いている。


彼はあまり人と関わらないらしく
いつも椅子に座って本を読んでいた。


そして、とても頭が良いらしく
合格者の中でもダントツのトップだったらしい。


だからなのか、やけに大人びて見えた。



それに比べて芽依はというと

いかにも女子高生というような
腰まで伸びた黒髪に少しウェーブをかけて二つに縛って
第二ボタンまで開けたシャツの上からカーディガンを羽織り、指定のリボンをつけて
膝上の位置で合わせたスカートに黒のソックス。

二重の目に薄めのメイク。
鼻はそれほど高いとは言えない。


元々大人しい性格から、周りの派手な子たちに比べると少し地味だが、品の良さを感じる印象でもない。


成績もいたって普通。



(友達…いないのかな)



なんだか不思議な人だなと思いながら、桃花たちの所へ行き、今流行のメイクだとかアイドルだとか
そんな他愛もない話に夢中になり
すっかり森山の事など頭から離れていった。



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