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忘れた頃に…

第38章 このまま…



何も言えないまま、胸の前の彼の腕に手をかけた。

腕を握った。

離さないで欲しかったから。


ぎゅっ。


私の気持ちに応えるように、再び彼の腕に力が入る。

「少しだけ…」

こうしていて。

このままでいたい。

涙で、思っていた事の半分も言えなかった。

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