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新章イケメン大奥〜逆ハーレムの世界

第11章 緒形の診察室〜午前編〜

「いや、噂で…
緒形殿が皆の相談に乗っているが
なかなかの評判だと聞いてな…
本日は確認しに参っただけだ。」


「おやおや…春日局様自ら私ごときの
噂のご確認でございますか…
余程のお悩みがあるんでしょうか?
例えば…恋の…」


「け、決してその様なことは無い!
ある者が話していた悩みだ。
私のことではない。
一人の女性のことを放っておけず、
気付くとついつい考えてしまい…
しかしながら顔を見ると心とは裏腹な
態度を取って時には泣かせてしまう
様な行動のことを…」


「それは恋でございますね。」


「その様な筈は無い!
…とその者も言うであろう。」


「泣き顔を見ても可愛くて、
でも笑った顔はもっと可愛くて…
その笑顔が他の殿方に向いた時は
心の中がもやもやと…」


「確かに…」


「その方への処方箋はこちらです。
まずは恋心をお認めください。
ご自身に素直になることです。
どの様な立場のお二人かは
存じませんが…お気持ちを伝えられる
ならばそれが一番宜しいです。
伝えられないのであれば…
その女性の幸せを考え、
手助けして差し上げることです。
そうすればその幸せを目にした時に
寂しいながらも晴れ晴れとした
気持ちになることでしょう。
今の様に彼女を心のままに
傷付けていては、傷付いたその顔を見て
ご自身も傷付きまた傷付けてしまう…
その繰り返しです。」

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