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新章イケメン大奥〜逆ハーレムの世界

第11章 緒形の診察室〜午前編〜

「緒形殿…失礼します。こちら、
良かったらお召し上がり下さい。」


「永光さん…いかが致しました?」


「私は女性に本気で心奪われることなど
無いと思っていたのですが…
どうにも調子を狂わされるのです。」


「お苦しいのですね…
永光さんはどうされたいのですか?」


「本音を言えば
美しい花の茨で出来た檻に閉じ込めて
一生私だけにその美しい肌を…
……失礼しました。
現実的にはあのお方のお側近くで
お支えし、もしも私を受け入れて
頂ければ時折閨に…
それ以上は望めないでしょうね。」


「永光さんはご自身のことを
よく解っていらっしゃいます。
私からの処方箋は特にございません。」


「しかしながら、聞いて頂いて
すっきりしました。
そうそう、南蛮の珍しい品々を持った
商人が来る時間でした。
以前買い上げた鏡と薬がとても気に入り
ましたので…これで失礼致しますね。
いつあの方からお呼びがかかっても
いいように準備は怠れませんからね。」


微笑を崩さない緒形に
永光は黒い笑みを浮かべたまま一礼し
部屋を後にした。

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