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新章イケメン大奥〜逆ハーレムの世界

第11章 緒形の診察室〜午前編〜

さて、次は…


「緒形殿、失礼します。」


「夏津さん、いかがいたしました?」


「この世に頭で割り切れない物など無い
と思って今まで生きてきたんですが…」


「割り切れない物…いえ、想いを
知ってしまったのですね?」


「いや…気の迷いなら早く覚めて欲しい
と思っているだけです。
どうもアイツには調子を狂わされる…」


「夏津さん、それは言い訳に過ぎない
かもしれないと本当は気付いている
のではないですか?
貴方への処方箋はこちらです。
人の性格は簡単に変わるものでは
無いですし、気の迷いというのも…
どうなのでしょう?
これまでの様々な出来事で、
知らず知らずのうちに本来の貴方を
封じ込めていただけなのでは?
その事実を、あの方への情愛がきっかけ
で思い起こしただけかもしれませんよ?
私は夏津殿が本当に冷たい方だと
思ったことなどありません。
もっと素直にあの方と向き合って
みてはいかがでしょうか。
自分の努力次第で、大切なものを
大切に出来る状況にあるというのは…
それだけでとても幸福なことなのです。
このまま手遅れにならないうちに…」


「…情愛…確かにそうかもしれません。
いつまでもつまらない意地を張って
惚れた女を泣かせる方が無様な生き方
かもしれませんね…
今日はありがとうございました。」


「頑張ってくださいね、夏津さん…」

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