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百合短編集

第2章 傷は癒し

「美咲…」

ベッドで眠る彼女に声をかける桃佳
彼女の名をつぶやき痛々しい頬の傷を指先でなぞる

桃佳はそっと涙を流した








一週間前のことだった
体育の授業が終わり片付けを任されたのは桃佳だった

「めんどくさ…」

つぶやきながらたらたらとバスケットボールを回収する

「このあと用事があるのにっ…」

桃佳は友達とカラオケに行く予定だったのだが、もう先に行ってしまった

遅れていくのはいいのだが、楽しいことがあるのに片付けをするのは億劫だった

すると桃佳の視界にひとりの少女が映った

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