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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第2章 偽りのウェディング・ベル

 美奈恵は自分の中で湧き上がる妙な期待感を必死で打ち消した。
 だが、一度走り出した列車は止まれない。停車駅まで二人はずっとこのまま危うさを孕んだ旅を続けなければならないのだ。
 新幹線に乗っている間、二人はずっと無口なままでいた。迂闊に口を開けば、この危うい関係のバランスを崩してしまいそうで、美奈恵は喋ることもままならなかった。

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