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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第3章 初夜。

 初夜。

 深い夜のしじまの中で、やけに腕に填めた時計が秒針を刻む音だけが耳につく。
―畜生、安物の時計なんか買うじゃなかった。
 と、後悔のほぞを噛んでも遅い。今は何でも良いから、とにかく、この悶々とした状態から抜け出したい。その一心で、剛史はもうかれこれ三時間近くもの間、空しい努力を続けてきた。

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