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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第3章 初夜。

 そして、店長について、この北の都市に来たのだ。まさか、そこで初恋の女に再会するとは想像もしなかった。もしかしたら、自分とこの女は縁なんてものがあるのかもしれないとひそかに、らしくないことを考えたのも事実だ。
 上辺だけは世間体を取り繕って離婚はしないが、とうに破綻している自分の両親と、世間的には落伍者と見なされても最後まで寄り添い合って死んでいった美奈恵の両親の一体、どちらが幸福だったのだろう。

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