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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第4章 逆らえない恋心

 二人ともに剛史を見ると眼を瞠っている。傍らの子が〝染谷君〟ともう一人の子に囁きかけるのが聞こえた。
「三千八百円です」
 女の子の声に、剛史はズボンのポケットから財布を取り出して支払った。今日の剛史のいでたちは白いシンプルなTシャツとジーンズという、言ってみれば何の変哲もないスタイルだ。Tシャツにはモノクロでパリの街角の写真がプリントされている。

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