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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

 室内を見回しても、剛史の姿は見当たらない。どこか一人で出かけたのだろう。考えてみれば、京都は剛史の故郷なのだ。行きたいところもあるだろうし、逢いたい人もいるだろう。なのに、この三日間というもの、始終自分がべったりと貼り付いていたのだから、思うこともできなかったに違いない。
 もう少し気を利かせ、彼を自由にしてあげるべきだったと今更ながらに後悔する。しかし、そんなことを考えもしなかったのは、剛史と二人きりで過ごす時間が本当に愉しかったから。だから、彼と離れたくなかったのだ。

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