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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

 新着メールをクリックすると、祖母の弁護士からだった。極めて事務的なもので、用件は二人が京都行きの新幹線に乗る間際に市役所に提出した婚姻届が無事に受理された確認が取れたこと、更に今日付で指定の美奈恵の口座に約束の財産がすべて振り込まれたことを知らせるものだった。
 やはり美奈恵の目論見が当たったのか、婚姻届そのものを弁護士が見ることはなかったようである。仮に見ていたなら、肝心の花婿の名前が祖母の知りもしない男のものと入れ替わっていることに気づいたはずだ。

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