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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

あとがき

 岡山にも久しぶりに昨日、雨が降りました。今日もしばらくは降っていたので、気温が上がらず、これまでの酷暑が嘘のように涼しいです。
 今月は琉球物と二つ書くことになりました。
 ところで、この作品は京都が舞台になっています。作中で出てくる清水坂の途中にあるお店―店前で無人なのに何故かピアノが鳴っているというお店は実在します。もう怖ろしく昔になりますが、小学生で修学旅行に行った時、初めてそのピアノを見ました。
 学校の怪談ではありませんが―笑、そこが人通りの多い清水坂で昼間だったから不思議ねーだけで済みましたけれど、夜、人気のないときだったら、きっと怖くて逃げ出したでしょう。
 何故か京都の印象はその光景がとても強かったのを憶えています。その後、私は何年か後に京都の女子大に入学し、四年間を京都で過ごすことになりました。附属の学生寮に入った時、二年生の先輩が新入生歓迎会として一年をどこかに連れていってくれます。
 私の部屋は四人部屋でしたが、先輩が連れていってくれたのが清水でした。そのときにもまだ店の前でピアノは鳴っていました。それを見た時、ああ、自分は京都に来たんだなと改めて感じたことがつい昨日のようでもあります。
 ただし、現在はそのピアノがあるかどうかは確信はありません。
 それから、やはり作品に出てくる東山七条にあるという大学は私の母校です。〝女坂〟というのも実在しますし、朝夕に登下校の若い女の子たちが行き交うので、こういう呼び方になったというのも本当です。この女坂という呼称はかなり古くからあったみたいです。

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