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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

 岡山で生まれ育った私が唯一、地元を離れたのがこの京都で過ごした四年間でした。なので、京都は私にとって第二の故郷といえます。今回、初めて京都を描いてみましたが、智積院や三十三間堂、国立博物館、更に八坂さんや祇園、清水坂と幾度も京都滞在中に行ったことを懐かしく思い出した次第です。
 もちろん、大原の寂光院にも行ったことはあります。しかし何分、記憶がかなり曖昧なので、今回はウエブで検索をかけて写真を見たりしながら、当時の朧な記憶や自分が見た印象に肉付けしつつ書きました。
 大原は観光地として有名ですし、是非、一度は行かれることをお薦めしますが、京都駅からはかなり遠く、バスで一時間はかかります。またバス停までにも徒歩で二十分くらいは歩かなければならないので、時間的に少し余裕を見て行動なさった方が良いです。
 最後に、作中に出てくる米米クラブの〝君がいるだけで〟。これは安田成美さんと中森明菜さんが共演したという珍しいドラマです。明菜さんが歌手としてだけでなく女優としても開眼し、その才能を発揮した作品としても知られています。
 今回の主人公たちは一九八三年生まれ、更に二〇一〇年がこの話が繰り広げられた年に設定しました。なので、美奈恵たちが小学四年生というと、大体一九九二年です。その年に流行った歌を検索かけてみたら、米米の〝君がいるだけで〟がかかりました。
 私もこの時代は明菜さんの出たそのドラマを毎回愉しんで見ていたし、歌も大好きだったので、嬉しい偶然でした。当時、その歌やドラマが友情を描いたものだったので、何となく自分と親友―もちろん女友達です―の関係に重ねたりもしたものです。
 この作品で〝君がいるだけで〟を使おうと決めた時、そういった昔の懐かしい出来事も思い出しました。その友人二人とは今も付き合いが続いています。互いにその歌が流行った頃から今まで紆余曲折はありましたが、今も変わらない大切な親友です。
 今回、そんな経緯があり、途中からは、この小説を二人の親友に捧げるお礼小説の意味で書きました。もちろん、内容は女同士の友情とはかけ離れていますが、思い入れのある曲で彼女たちに私の〝ずっと、ありがとう。これからもよろしく〟という想いを伝えられたらと思います。

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