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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第2章 偽りのウェディング・ベル

 今の自分もやっぱり、加田さんのように〝痛い〟のかもしれない。
 所詮、健吾にとって自分はその程度の女にすぎなかったのだろう。そう思うと、今頃になって泣けてきた。別に健吾を想って泣いているわけではない。
 いや、いっそのこと、そうであれば良かった。無くした恋を惜しいと思って泣けたのだとしたら、少なくとも自分は五年間という月日、本気の恋をしていたのだろうから。

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