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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第2章 偽りのウェディング・ベル

 だけど、今の自分はどうだろう。健吾を失って哀しいというよりは、結婚式の三日前にあっさりと見限られる程度の女―そんな風に見られていたことに悔しくて涙が出てくる。
 今、もう二度と恋人として健吾に逢えないのだと考えても、何とも思わない。ああ、そうなのか、そうだったのかと納得できてしまう自分がいる。いっそのこと、かつて剛史を追いかけ回したという凪のように、そこまで健吾に本気になれたら良かった。

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