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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第2章 偽りのウェディング・ベル

「そんなに逃げた男がまだ好きなのか?」
 予期せぬ問いに、美奈恵は愕いて彼の顔を見た。
「まさか、式の三日前に逃げ出すような男よ。幾ら私が取るに足りない存在だとしても、そこまで手酷く裏切られて、未練なんてあるはずがないでしょ。それに―」
 美奈恵は言い淀んだ。
「それに、何なんだ?」
 剛史は続く科白が気になるようだ。美奈恵は薄く笑った。

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