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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第2章 偽りのウェディング・ベル

「何で、泣いてるんだ?」
 剛史は殆ど聞こえないような声で悪態をつき、〝ああ、もう〟とズボンのポケットから白いハンカチを出した。
「おめでたい席で泣くなよ。化粧が崩れるぞ」
 そう言いながら、ハンカチで美奈恵の涙をぬぐってくれる。
「少しもおめでたくないわよ。これは偽物の結婚式なのよ?」
「偽物でも結婚は結婚だろ」
 剛史は憮然として言い、小さく首を振った。

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