レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~
第2章 偽りのウェディング・ベル
剛史は付き合いが長く、美奈恵のことなら何でも知っている。美奈恵が彼について知っているのと同じくらいには。彼とは男だとか女だとかを意識せずに気軽に付き合ってきたから、もちろん人生最大の夢についても余すところなく打ち明けていた。
そう、と、美奈恵は頷く。
「水無瀬家の土地や財産を受け継ぐには誰かと結婚しないといけないから、誰かお祖母さまも世間をも納得させられるような男であれば良かった。別に健吾さんじゃなくても良かったのかも」
そう、と、美奈恵は頷く。
「水無瀬家の土地や財産を受け継ぐには誰かと結婚しないといけないから、誰かお祖母さまも世間をも納得させられるような男であれば良かった。別に健吾さんじゃなくても良かったのかも」