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俺はここだよ

第21章 思いのまま

あのときのリーダーのように、両手で顔を覆った。


「楽屋に入ろうとしたときに、聞こえてきたんだ。
だっ、だから俺がそう聞こえちゃっただけかもしれないし、だからそんな事本当にある訳ないよ・・・多分・・・まー君?」


顔を覆う手の隙間から、光るものが溢れてきた。


「ごめん、まー君。記憶がないとはいえ、不確かな事を口に出しちゃって・・・」

「うぅん、ニノのせいじゃないよ。
でもそれが本当だったら、どうして相談してくれなかったのかな」

「すぐに元の体に戻れると思ったんじゃないかな。
まー君に心配かけたくなかったのかもしれないし」

「でも、潤が俺に隠し事なんて・・・
あっ、あの時そう言えば・・・」

「どうしたの?何か気になる事でも?」

「あのコンサートの夜、潤が・・・その時はもう中身は翔ちゃんだったのかな。
話してくれたのに、俺の事をからかっているだけだと思って、ちゃんと聞かなかった」

「まー君」

「あの時、ちゃんと話を聞いていればよかったんだ。俺のバカ!!」


まー君の目から、涙があとからあとから流れてきた。


「まー君・・・」

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