「再会」と呼べる「出会い」
第4章 兄と弟
ガッターーーンッ!!!
「やっと会えたっ!!
にいさんっ!!!」
彼女、ではなく
彼は窓を飛び越え
俺に飛びついた。
後ろの長机や椅子が
音を立てて動く。
俺は激しく尻を打った。
飛びついたまま、
押し倒された形だ。
…顔が近い。
見たこと、あるような…
そうか、俺に少し似てるんだ。
けど綺麗な…
え
待て 待て
弟がいるなんて聞いてない。
ってことはあれか?
親父がナースにでも産ませたか??
ありえないだろ…
親父はお袋にゾッコン…
「あれ? 記憶、戻ってない?」
彼は俺の顔を覗き込んで
そう呟くと立ち上がった。
ポケットから懐中時計を出し
確認している。
「おかしいな
隠土晴一(いんど せいいち)
23年前の今日 午後4時17分誕生」
…なんで俺の母子手帳の内容を?
「時間、過ぎたよね?」
「…誰だ?」
お前は誰だ
「…」
悲しそうな顔で見つめてくる。
だって仕方ないだろ?!
俺はお前が弟だなんて聞いてない。
「前世の弟だよ」
… は?