「再会」と呼べる「出会い」
第4章 兄と弟
「簡単でしょ?」
次朗が微笑む。
「…あのさ
月子はあの後…」
「聞きたい?」
…聞かない方がいいのかな
「その…
他の誰かと幸せになれたのかと…」
本当はあまり知りたくない。
けど確認はしたい…。
「そんなんだったら
兄さんに記憶を戻して欲しいなんて
頼まないよ」
…
俺はホッとしてしまった。
「月ちゃんはあの後すぐ、
兄さんを追うように
自身で胸に剣を突き刺した」
…
「…この意味、わかる?」
…
「だから、
月ちゃんの記憶と力を
取り戻せるのは
兄さんしかいないんだよ。」
…心臓が痛い程鳴る。
今
俺の意識は一つの事に支配されている。
今すぐ君に会いたい。