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「再会」と呼べる「出会い」

第5章 特別な日のいつもの部活動

今の時期、
これから植える作物の為の
土作りに、堆肥は欠かせない。

臭いが難点だが。


「部長すげーっ!」

一袋大体20キロ。

三つ肩に乗せ、
もう三つ反対側の小脇に抱える。

…俺にとっては楽な方。

ま、普通に考えたら、無理か?

「あと四つ、四谷と二木で頼むな。」

「はーい。」

「うっわ 結構重いし。
 …んだよ
 四谷も平気そうだな。」

「大体40キロだろ?
 こん位持てないと
 女の子抱き上げらんねーよ。」

「そういうシチュエーション
 今のお前にあんのなよ?」

「これから?」

汗だくになって運ぶ二木の質問に
四谷が涼しげに答える。

四谷は山一とどうなってるんだ?

「少しは進展したか?」

部長として、
部内のそういう情報は
把握しとかないとな。

「…んー。
 まだまだ…っスかね
 あと一年、
 のんびりやりますよ。」

四谷は二年だが、
山一は俺と同じ三年だ。
卒業まで、粘るのか。

四谷の山一への気持ちは
部員みんなが知っている。

と、言うのも、
四谷の愛情表現が誰から見ても
分かりやすいのだ。

なのに山一は知らない振りを
決め込んでいる。
全く、なびかない。


少し四谷が気の毒に思える。

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