テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

「…うちのクラスの百瀬エミと
 一緒じゃないっスか?」

松井さんは人差し指を額につけ
交信している。

「その子って、ギャル系?」

「はい」

「今学食で別れた。
 その百瀬って子、
 何か暗示をかけられたみたいだな。」

「え マジっスか?!」

百瀬、しつこそうだからな…
次朗さんにまかれたのだろう。


「…あ 気付いた」

“探索”用に飛ばした先程の鳥に
次朗さんが気付いたらしい。

「香田君が探してますよ
 …部活の件だそうです。
 …やっぱり…   伝えます。」

どうやら“鳥”を通して、
電話みたいに連絡を取り合えるらしい。

「料理部に入る事にしたって」

「ですか…  了解です。
 ミカ、大変だなぁ。
 隠土先生が顧問になって
 只でさえ希望者殺到しそうなのに」

「だよね。 
 あの人って周りの人間を振り回す
 事にかけては天才だし。
 幼なじみなら、気にかけてあげなよ。
 じゃないとあの子、佐伯さん。
 苦労すると思う。」

「ですかね」

松井さんは幼少期から
次朗さんと共にいたので、
というか
育てられたも同然なので
あの人の性格やら何やら
把握しているようだ。

「百瀬さんの方は大丈夫そう。
 サッカー部の子達と食事してるよ。
 暗示とは言え、軽いものだし。
 少し喰われたみたいだけど
 あの位なら大丈夫だと思う。」

「やっぱり精気を搾取されたんだ…」

「水龍を返したから。
 その分、魔力に頼る部分が
 多くなったんだよ。
 特に害悪ってわけじゃないし
 そんなに気を揉む事でもないと思う」

「はぁ…」

次朗さんには淫魔の血が流れていて、
魔力を保つ為に、人間から適度に
精気を搾取しなければならない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ