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「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

次朗は調理準備室に入ってくるなり、
疲れたように椅子に座って

「…っはぁ」

溜め息をついた。

「なんだ?疲れたのか?」

俺は一応用意してきた弁当を
目の前に置いた。

「最近の若い子ってホント元気。
 オッサンだからさ、
 相手してると疲れるよ」

オッサン?
ジーサンだろ?

「佐伯ミカに入部届け出して来た。
 なんかすーんごい
 嫌そうな顔されちゃった…」

「お前何かしたからじゃないのか?」

許可なしに全裸で人の布団の中に
入ってくるこいつなら
…絶対に何もしないとは言い難い。

「してないよ。
 今日初めて会ったし、
 俺、その気がない子には
 手を出さないもん」

…その気があったらやるのかよ。

「そうか。
 それは残念だったな。
 …ところで、神鳥の方は?」

つーかそもそも、
お前がこの学校に入った理由は
それだろ?

「かんちゃん? うん
 相変わらず厳しいね。
 俺になんかに全然興味ないっぽい。
 記憶の隅にもないみたい。」

かんちゃんって
あだ名で呼べる仲になったのか、
それだけでもすげーな。

俺は昨日会って以来、
顔すら見れてない。

…つーか
見たくても、自分を抑える自信がなくて
見ることができない。


とは言え授業でどうしても
会ってしまうが…




「会った事があるかも
 なんて言われたんなら
 押せば見込みあるかもよ。
 兄さん、自分でガンガンいきなよ」

「んな簡単にいけるなら
 いってるよ」

「兄さん、見た目も中身も
 昔とおんなじなんだね。
 ヘタレ」

…ハッキリ言いやがって。
お前だってな…っぁークソ。

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