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「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

熱心に料理本をめくっている。

「料理、するんだ」

「え あ 隠土先生」



瞳の色や髪型なんかは違うが
月子そのままだ。

クソ 今すぐ抱きしめたい…

理性を働かすべく、少し距離を取る。
だが彼女は逆にこちらに寄ってきた。

おいおい やばいって

「先生っ!この間の… 
 お味噌汁なんですけど」

え 味噌汁?

…あぁ

「けんちん汁か?」

「けんちん汁っていうんですね!
 じゃ、やっぱりこれかぁ…」

と、開いたページに目を落とした。

睫毛長ぇな。
しかもなんか…いい匂いだし

やはり、もっと近付きたい。

俺は神鳥が手にした本を覗いた。

『ふるさとの味 けんちん汁』


「これとは少し味付けが違うかな」

「え そうなんですか? 
 すごく美味しかったから、
 お母さんにお願いして
 一度作って貰ったんですけど
 …なんか全然違ってて。」

んなの、
いくらでも食わせてやりたいけど

「レシピ用意しといてやるよ。
 こっちと、両方作って食べ比べてみるといい」

会う口実にしよう。

「ありがとうございますっ」

…!!

そっの笑顔は…!!

マズい、理性飛びそう…
堪えろ 俺


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